頭痛の言い分

長年の頭痛きっかけでたどり着いた未知の世界を紹介しています

コメダ星人★45歳②

過去に、人事部の偉い人たちの圧迫面接や
トルコ人校長の面接などを経験してきたけれど


面接中に体が宙を浮くような経験は初めてで、
「空中浮遊ってこんな感じかな?」と〇〇〇教で
頭の中はグルグルだった。


後日、何をどう間違ったのか、異業種しか経験のない
私が何故か採用され、おかげさまではや3年。


初日、社長は自ら一通り業務を教えてくれた。
他の従業員もいたけど他業務のため、質問はすべて
社長に聞くしかなく、マニュアルもなく・・・


しかし、ありとあらゆる業務をひとりでこなしながら
コンスタントにコメダ珈琲にも出没していた多忙な社長と
顔を合わす機会は皆無に近く、見かけたらとにかく質問攻め
にしていた。


未経験の業種で一般常識さえ乏しい私は悪戦苦闘して、
調べても調べても解決できない問題があると、社長に対し


「これがあの感動するぐらい変わった親切な人?」
と完璧な逆恨み状態に(未熟さ丸出し)


社長は質問すれば教えてくれる。まるで一問一答のように。
取り付く島もない。業務の全貌はすべて社長の頭の中。
マニュアルやルールもない。


会話が途中なのに社長のターンで終わっていることもしばしば。
(話が終わったか終わってないかわからなくてドキドキ)


本当につかみどころがなく、いろんな意味で今までに出会った
ことのない人で、対処法がわからず、いつの間にか出社して社長が
いないとホッとするような自分になってしまっていた。


ある日、長年社長がなにかと目をかけて手厚くフォローしていた
外国人数人がいきなり退職を申し出て、スタッフ一同驚いていた。


あんなに面倒を見てきた子たちがサッサとよそへ移るなんて…


彼らが日本で様々な資格を取得するように、社長は時間や労力を
かけ、やっと専門資格を取得し、これからバリバリ働けるという
ところでの突然の退職の申し出に対し、


「〇〇さんがどこにいてもずっと応援していますよ。
あなたの日本での夢が叶うように願っています。」


と返事を送っていたのを知り、その場にいたスタッフの


「いやいや、ボランティアじゃないし、社長がどれだけ
親身になってやってきたか、あの子たちは全然わかってない。
日本はこんな甘い国だと誤解しちゃうよ」


という意見に深く賛同しながら、心の中で無数の疑問が渦巻いた。


社長は一体どういう感性で生きているんだろう?


なぜ、一寸も恨みがましい感情がないのか?


専門的な資格取得に骨を折ったのだから、少しぐらいは
自社の売り上げに貢献するシステムを作ってもいいはず…


なのに「手塩に掛けて育てたのに」という気持ちも
ないし、それどころか相手の幸せを全力で願っている。
たぶん、本当に本心からそう思っていて、頭の中は
もう次の、別の一手を考えている。


・・・なんだか、人間じゃないような。


神様と人間の間?


義理人情とか恩返しとか、重たい地球のリズムで生きて
いないのか。


普段は無口で、こちらが質問しない限り何も話さない社長だけど、
会社の詳細をわかりやすく掲載し、面接時までこまめな連絡をし、
面接に来社した人全員にお茶を出すようにスタッフに指示し、
会社を始めたきっかけを率直に話してくださった3年前のあの日を
今更ながら思い出していた。


ん?もしかして私、宇宙人に雇われてる?


これはもうフィールドワークせねば。



そんな風に思い始めてからというもの、退社時の疲労感が
ブッ飛んでいきました。(気持ち悪いくらいです)

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